「ごちそうさん」感想 成長譚の王道か
以下は朝ドラ「ごちそうさん」のネタバレ含む感想ですので未視聴の方でこれから見たいな~と思ってる方は読まないほうが良いです~。
さて、毎朝出かける前にBSプレミアムで朝ドラを見る習慣がすっかり根付いたワタクシ。今回も見ております。杏ちゃんには元々好感を持っていたのもあって、とても楽しみにしておりました。
(本当はその前の再放送枠の「ちりとてちん」も見ていてこれも面白いんですけど、まあ今回はこちらはおいといて。)
最初の子供時代、これは正直見ていてしんどかった。子役さんはいわゆる天才子役で上手いわけですし、この子役さんに罪はない。財前直見のお母さんも原田泰造のお父さんもいい味出してるし、吉行和子のおばあちゃんもおっとりしてて良かったのだけど、なんせ主人公が意地汚なすぎて。
食べ物に対して異常に執念を見せるというのが設定なんだからしょうがないのかもですが、盗んでまで食べたり、ジャム一瓶を独り占めするためのあの執念はどうだろう。性格的にちょっと嫌だなあそこまでするのは、と見ていてしんどかった。夫などはその時点でイヤになったと言って見なかった。
そこはじっと辛抱して見て、おばあちゃんに食べさせたいと必死にイチゴを持ち帰ったりのエピで少し浮上。
杏ちゃんに切り替わった後、これもしばししんどかった。ともかくただ食べるだけ。勉強もしない、手伝いもしない。どこまでお気楽なお嬢さんなの、と。異性に興味出ても自分磨きなど一切ない。
が、これも「半沢直樹」がドラマ前半ずっと苦境に立たされて後半で挽回するのに似て、ともかく主人公のダメっぷりを徹底して描くことで成長を見せるドラマなんだろうとぐっとこらえておりました。
重要な副主人公・西門さんが出て、びしっとめ以子に努力のなさを指摘し、さらには彼への思いがはっきりしてからの主人公の成長っぷりや凄かった。
朝ドラは聞いたところではそもそもヒロインの成長を描く物語というのがおおよその王道のようです。そういう意味では今回は本当に王道中の王道を邁進しているのではないでしょうか。
恋愛も案外思ったよりはさくっと上手くいって、難ありだと釘を刺されていた大阪の西門家に嫁いでいったので、ここからがまた大変なのだなと思ったら、予想以上に大変だった。
義理の母親である静さん(宮崎美子)は曲者だけど、あたりとしてはまだマシ、問題は西門家を仕切ってる出戻りの長姉。この人の嫁いじめが凄い。
再びちらちら視聴再開した夫が再度このいじめっぷりに見たくないとやや脱落w
いやしかし、このお姉さん、いじめはいじめだけど難題の出し方としては決して間違っていない(?)
この物語は嫁姑、小姑の確執を描きたいわけではないだろう、食べることに対して非常な集中力とセンスを持つ主人公がその得意分野と素直でまっすぐな性格を生かして、そのこじれた人間関係をどう変えていくかが見ものなはず。食べることが人と人との関係を変えるという話は、昔見た映画を思い出す。
((タイトル失念)ひっそり隠れるように引っ越してきた女性の料理人がある時当たった籤の大枚をはたいて料理を町の人たちに振舞う。あまりの美味しさにいがみあってた人たちが楽しくなり、最後は手をつないで仲良く帰っていく。実はその女性は都会の一流レストランのシェフをやってたくらいの腕前の人で、事情があって身を隠していた。美味しい料理は人間関係を一夜で変えるという不思議な映画だった・・)
私もたまにあるが、ちょっと険悪になっていた夫がきちんと作った夕食を食べた後は少し態度が軟化したりするのだな。生活の中で本当に食は大事だと思う。
先週の長姉は一回認めたかに見せてさらに陰湿ないじめを仕掛けてきた。時々差し込まれる回想シーンではどうやらこの人自身が婚家で相当ないじめに遭ったらしいことが分かるが、め以子にも同じことを仕掛けているらしい。
根っから悪い人ではないのは、途中で投げ出した洗濯物をさすがにやってあげてしまうあたりでも伺える。
籍を一年は入れない、なるべく早く追い出そうとしているのも子供が出来る前に帰したいと思い詰めているのだろう。
が、め以子は負けなかった。捨てられそうになった鯛たちがいっせいにしゃべり出したのも可笑しかった。
訳アリの師匠、近藤正臣の出してくれた一冊の本で繰り出された数々の鯛料理、保管もできた。
この難題のクリアの仕方は、ある種の英雄譚に出てくる様を思い出すなあ。
例えば、ヤマタノオロチを退治するために知恵を絞る。必要なアイテムを入手する。仲間を増やす。
め以子にとって幸いだったのは頼りになる友人もいない見知らぬ土地で、大した力になってくれる幼馴染がいたことだ。仲間一がすぐに出来た。そして仲間がさらに心強い仲間を呼んでくれる。
商店街の人たちはすでに食いしん坊だけど素直なめ以子の味方だし、知恵者・ほうるもんじい~の近藤正臣が出てきたからにはかなりなアイテムを入手した形である。
だから長姉にはまだまだ頑張って無理難題を繰り出してもらわないことには。
そしてこのクリアの度にヒロインはずんずんと大きく成長し、その成長ぶりは副主人公である西門さんにも影響し、二人は絆を固めながらどんどんと良い夫婦になっていくのであろう。
どういう難題が繰り出されそれをどうクリアするのかというのを楽しんでみればよいと思う。
西門さん役の人は東出さんというのだそうだw東大出役で赤門さん・・・というのを役名と混ぜたようなお名前。背が高く顔がすっきりしてて好青年なので人気急上昇中のよう。
背の高い杏ちゃんと並ぶと絵になっていいですなあ~。
ということで、嫁いじめは見ていてしんどい面もありはしますが、でも難題なくして成長もないということで楽しんでみましょう~。
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Comments
こんにちは。「ごちそうさん」楽しくみてます。本当にRPGか少年ジャンプマンガみたいで楽しいです。
ところで、件の映画はおそらく「バベットの晩餐会」ではないでしょうか。以前「クッキングパパ」のうえやまとちさんが好きな映画として紹介されていたので、観たいと思っていたところ、たまたま今月、ケーブルテレビで放送されていました。もう何回か放送されるので、今度は録画しようと待ち構えています。
Posted by: 波多利郎 | December 07, 2013 11:20 PM
波多利郎さん、映画のタイトル有難うございます!検索してあらすじ読んだらこれだったなーって思いました。前も失念して誰かに聞いたんですよwなんだかよくわからないのですがいつも違うタイトルで間違って覚えちゃってるみたいで~;(で、挙げる前にそのタイトルで検索したら内容が違うのであれえ;;?と…)
すっきりしました!
「ごちそうさん」面白いですね~。役者さんの演技みるのもほんとに楽しくて。宮崎美子も近藤正臣もいいわ~~とかw
毎朝楽しみですね^^
Posted by: haneusagi | December 08, 2013 10:02 PM