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『本好きの下剋上』ネタバレ感想 3

いやもう、どんだけネタバレ感想を書くのか。
WEB版完結して長いので、感想はすごく上がってるのですでに書かれてるネタも多分多いと思うのだけど
自分が気が付いたことを整理しておきたいーというのが、頼まれなくても感想を書いてしまう人間のサガというものでしょう。
ともかく伏線がすごい。ここであの時のあれを回収してるのか!というのが面白すぎる。
あと、ちょっと申し訳ない比較だけど、文学賞とかの作品と違って重すぎない。
一時期読み続けた文学作品は社会問題が必ず重く重く入っていて、読んでいてしんどかった。
正直、重い話は現実に溢れまくっていてニュースの方がフィクション超えるくらい陰惨、、、
物語世界にはもう少し救いが欲しい。
その点、いろいろ重い現実社会のアナロジーが入りながらもともかく主人公視点が物語を重くしすぎない。
闇を呑むのがフェ様であったりハルハルであったり、別のキャラだからというのもあるけども。

アニメとCDドラマで微妙に原作と違うのだけど、最初に出版社から「異なるところが出てきても大丈夫か」と作者さんは聞かれたそうだ。
オkされたから色々展開されてるわけで、その鷹揚さが好ましい。
アニメで気が付いた違いでは、ロゼマの祝福がジルカルにもいってるように見えるところ。
原作だとフェ様には祝福があったけどジルにはなかったので(なかったということは光は2人を避けた筈なのだ)、
羨んだジルがネチネチとフェ様に絡むという話があったので、そこはだいぶ違うなーと思った。
あと、夢の世界でアニメでは実母に逆縁の親不孝を謝る前に同調を切られているが、原作では出された食事を食べ、感謝を伝えている。
ここの場面は後で重要になるのだけどもアニメがそこに辿り着くのはだいぶ先だろうしやるとしても触れなくてもどうにかなる。

前にも書いたがエーファ視点で語られたギュンターの求婚の言葉ややったことが(フラグ)、後になってロゼマのやったり言った言葉と被る。
如何に2人が似てるかということでもあるけど、このフラグの回収が二段階のように、さらにフェ様のロゼマへの求婚の言葉に繋がっていく。
騎士物語に憧れて街を守る為に、士長に直談判して兵士になり、夢を笑わなかったエーファに求婚したギュンターは実際に街を守った。
そして、本当の騎士であるフェ様が本物の魔石を捧げる。
出来ない約束はしないと言うフェ様が送った言葉が、1段階のロゼマの言葉を経て奇しくもエーファがギュンターから貰った言葉と同じになるというこの回収ぶりが凄い。
アーレンドナドナが無ければフェ様は自分の望みに蓋をしていただろう。
読んでて辛かったけどもこの不幸がなければこの幸福もなかったという、人生万事塞翁が馬、みたいなことは現実にもある。

神の恵みは平等だという神殿に、褒美はそうではない、働かざる者食うべからずだという概念を持ち込んだロゼマ。
事実、神々からのご加護も、祈りの量、奉納された魔力量に関わっていた。
神々のやりとりは贔屓もあれば、逆もある人間臭いものだ。
多くの神話にあるように、そもそも神々は自分達に似せて人を造ったので当然かもしれない。
神事を蔑ろにし魔力が失われつつある世界で祈りまくるロゼマが神々の目に留まり、お気に入りになるのも宜なるかな。
マインは身食いで苦しむ際に日本の世界(本須麗乃の世界)を夢見ていたというのが本編にあった。
その交信作用が麗乃が死んだ際に、そして死にかけているマインの魂の元に召還したのか、
そこにもやはり神々の采配があったのだろう…という匂わせが本編中にもあるが、
私はその神がメスティオノーラなのかなと思っていたけど、いや時の女神の力か…という気がしてきた。
メ様があまりにフェ様を嫌っているのでw
召還してフェ様を救わせる采配はメ様にはないな、と…。
メ様は召還された麗乃=ロゼマが知をこよなく愛する娘で、自分への感謝の祈りが目立つことから「お気に入り」登録したのだよなー。
ふぁんぶによる公式の解答に、ご加護はイイねやお気に入りが溜まった感じに近い?うん確かに近いというのがあったので、この辺りもやっぱ現代のネット世界観。

不穏な動きがあって神殿に籠ることになった青色巫女になった当時のマインに、兵士の父が神官長にはなんでもちゃんと連絡しておけ(ほうれんそう!)と言っていた「上司との連絡がうまくいっていないと碌なことにならんからな」このセリフ(135)もフラグで、ギュンターが連絡を回していたのになぜか肝心のその門で連絡が引継ぎされず、マインが攫われるきっかけになってしまった。
なんの行き違いがあったのか?と思っていたのだけど、それが後に兵士見習い視点SSで、実は単なる行き違いではなく士長による故意だったと分かる。士長は自分が知らない情報を部下のギュンターが持ってくることに嫉妬していて、それでわざと伝えなかったのだ。
これはSS読むまでまったく汲み取れてなかった。
でも現実にこういうのある。
組織では上から下に話が流れないと、それを乱す人間に妬み嫉みが向かう。
実際に私もそういう思いをしたことは何度もあるのでよく分かる話だった。
ではどうすればその妬みを避けられたか?と考えても、この時はまだ騎士と平民の門番との繋ぎ役になるダームエルがまだそういう位置にはいなかったし、少しでも速く情報を回すにはギュンター自身が連絡役になるのが適役だった。
まさかそんな上司の嫉妬がそれを阻害するとは思いもよらなかっただろう。
結果として上司は士長を下ろされるが、そんなことはマインと家族が引き離されたことに比べれば、、、。

あと読んでて本当に現代の小説だなあと思うのは、イメージがコンピュータが普及した世界観ならではなのだ。
転生してマインの記憶が流れ込んでくるのは、まさにインストールとかダウンロードだし、
女神の知識が流れ込むのもデータダウンロードのイメージ。
魔力の認識がライセンスとかアカウントとかのイメージで、魔力がほぼ同じ色だったフェ様とロゼマが同じアカウントというかライセンスというかに認識されたというような感じであるw 
祠巡り、祈り(魔力奉納)の量や本人の資質の確認がライセンス取得。

ロゼマのグルの形状は紙本でなくタブレットで、コピー機はイメージできなくてもデータはコピペ出来るのも現代ならでは。
さすが、WEBでずっと連載されてた作家さんならではだと思う。

直近で公式から落とされた呟きで知ったが、ダンケルアウブが渡した銀の剣、ホントは持ち出し不可扱いにフェ様がした分だったらしい。
私は闘いの途中でランツェナもしくは王宮制圧中に敵から奪った武器なのかと思っていたので、そんなところまでちゃんと裏があったのかと感心しきり。
レオノは強い上に知的で良いなあ!クール。

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