« December 2022 | Main | February 2023 »

『本好きの下剋上』ネタバレ感想4

なんせ長編なのでネタがいくらでもあるので、この際思いついたら書いておくことにしました。

ヒロイン・ローゼマイン(=マイン)は良きアドバイザーであり、人を育てる言葉の魔術師・そしてトラウマも越えさせる

感想の最初の方で、この物語は親子愛・家族愛が主眼と書いたけども

ロゼマはなんせ超本好きで知識の宝庫、男女の機微には疎いのに他人の感情の変化には敏感で、傷ついている人の心にぴたっと来る言葉をかけてあげることができる、これも一つの見どころ。

早くにはマイン時代、オットーの妻であるコリンナがオットーが自分のために兵士になったことを気に病んでいて、それを敏感に察知したマインの掛けた言葉は「門で思う存分商人してますよ」。

その言葉ですっと気持ちが楽になったというコリンナ。マインに聞くまで誰にも相談できなかったのだね。 貴族院時代では、自分が争いの種になることを恐れたエグランティーヌとアナスタージウスの仲を取り持つことになった直截なアドバイス。 さらにはエグランティーヌと比較されることを畏れるアドルフィーネの気持ちを察知し、人の魅力はそれぞれなのだからと強張る気持ちをあっという間にほぐした。 マイン時代、男性恐怖症であったヴィルマがそのトラウマを越えた最初の一歩は、マインの新しい絵画印刷技術への挑戦からだった。 孤児院に暗い恐ろしい記憶しか持たなかったデリアを救ったのもマインの改革。 孤児院長にセクハラを受けていて隠し部屋に入るのがトラウマだったフランを救ったのもマイン(性格も行動もまったく違う新しい主への忠誠と信頼から。ハッセではロゼマを諫めるために隠し部屋に躊躇いもなく入るという;気が付くと乗り越えていた)。 問題児で人に褒められることがなかったギルを褒めてあげることで信頼関係を築き居場所とやる気を与えた。 貴族院の側近達についても、抜きんでて凄い点がないと悩むコルネリウスにバランスの良さを褒めリーダーとして伸ばし 俯瞰して見る冷静さを持つレオノーラに座学と実践の結びつきに気づかせ伸ばし アンゲリカに憧れるあまり自分の良さを失いそうだったユーディットの得意技を活かすよう伸ばし… 強くなることしか考えず座学で落第しそうになっていたアンゲリカを周囲の側近に協力させることで救った… などなど、自分の周囲の人間の育て方がともかく上手い。 見た目は子供、頭脳は大人なものだから、貴族としての父になったカルステッドなども妻・エルヴィーラに対しての認識を変えるきっかけの言葉を貰い、夫婦関係が睦まじくなっていく。

フェ様でさえ、ロゼマの言葉でけっこう新たに気づかされることが多かったわけだが(ヴィルフリートについて、勝手にジルと同じように育つんだろうと思い込んでいたのが、親と子は似てるといっても違うんですよとロゼマの言葉で気づかされたり。ジルにちゃんと自分で仕事をさせ、自分の仕事はもっと周囲に振れなど)、ロゼマがそれを必ずしも意図せずとも自身の言動が周囲の人のトラウマを解決しまくっていく。

■結局のところ実は最終難関はフェルディナンドであった。


一番でっかいトラウマ・心の闇=自身の存在意義への不審=を抱えていたフェルディナンドを救うのが凛々しいロゼマの言葉と行動であった。終わってみればむしろフェ様がヒロインなのだ、何度でも救いに飛び込んでくるロゼマは恋に鈍感なヒーローだから。 これがこの物語の肝だった。振り返って読むとよく分かる、本当にものすごい構築力。 なんせずっとフェ様が自分の望みに蓋をし続けて進むものだから、そして中身が大人でも見た目幼女の本狂いだから最終章になるまで恋愛要素は底流であった。私も最後には二人がだよねえ…と思いつつも。 しかも見た目幼女だから婚約者をヴィルにしても後見人枠でフェ様がそばに居られたというのもあり、その辺も非常に上手い。 ゆっくりな成長の中で徐々に触れ合い方を制限されていくのも。若干シスコン気味のコル兄の「外聞が~~」は特にw (そういえば、螺旋上にどんどん落ちていくシーンやウサギの案内、急に成長するなどは「不思議の国のアリス」ではある。

いろんな物語の影響があると公式が言っているけども、アリスはもう誰が見てもよく分かる…)

「魔石になるために自分は生まれてきた」、これは名捧げしてくれた側近達にも絶対に知られたくない秘密。

誰かに相談できればトラウマは一つ乗り越える一歩を踏み出すものだ。口にに出すことが本当に大きな壁。

フェ様はロゼマに初めて口にするまで誰にも言えずにいた。この時点で二人の心理的な信頼感の深さも分かる。(もちろん半ば脅しのようにロゼマが無理に聞き出したのだが、その後のぎゅーと言葉にもフェ様はかなり救われていると思う)

そんな闇を心に抱えていたフェ様は、「時の女神のお導きで」「エーレンフェストの利になるから」という理由で自分を救ってくれた先代アウブに感謝と愛を捧げていた。それこそが彼の生きるよすがであったともいえる。 エーレンの利になるために生きる(ジルを支える)のが物語の大半の間、彼の存在意義をどうにかもたせるものだった。

だから彼がロゼマをどれだけ大事に思っていても自分が彼女と結婚することを思い描くことはまったくなかった。

そんな想いには蓋をしていたはずだから、アーレンドナドナがなければ自分の想いに気づきもしていなかった。 殺されるために生まれてきたという闇を抱える彼に(実は何度も)「生きてください!!」と全身全霊をかけて果敢に救いに来た少女。 愛さないわけがない。 物語の最初の方で、平民で身喰いのマインが「自分の思うように生きられないなら生きている意味がない」と言った際に彼はどれだけ衝撃を受けたのだろうと思う。彼の出生時の秘密が明かされた時に読者はその衝撃を知るのだけど。 手には入らぬ家族の情、彼はどれだけのものを諦めながら生きてきたのだろう。 フェ様視点のSSで、アーレンに命がけで自分を救いに来てくれたロゼマへの自身の想いに気づき、幼い時に聞いた言葉「あなたは望みのままに生きられるのですね」という言葉を思い出し、ロゼマへの自分の想いを叶えることに全力を出していいのだと思った時から彼自身の望み、想いの成就への快進撃が始まる。 この辺りから、物語は一気に実は救われるヒロイン!フェルディナンドの恋の成就にまっしぐらという感じになる。 …全力を尽くして囲い込みにほぼ成功、それなのに、最後の最後でルッツと添い遂げなくていいのか?と震える声で聞くフェ様は本当にどんだけけなげなの、、と涙しかない。読んでいて冷や冷やしたけど、、、本当に良かった、、、 なんせ相手は恋愛の機微には超鈍感なロゼマだから。 それにしても、ロゼマは言葉の魔術師としてプレゼンが上手く、ダンケルに流行らせてしまった「シュタイフェリーゼより速く」(=シュタ速)などある意味ユルゲンのコピーライターになれるのではないかと思ったりするw

|

『本好きの下剋上』疑問編4

これは疑問というか、
ランツェナーヴェの建国の話を考えると、なんとなく子供の頃に読んだ、いわゆる「魔法の国」なのだなーと思う。
例えば、「ジャックと豆の木」で天に昇って行った先にある国。
「アラジンの魔法のランプ」に出てきた魔人の住む国。
(ちなみにアラジンのランプは男性器のアナロジーともいわれているが、まあそれは心理学的な話ではある。)
子供の頃に読んだ中で「ハウフ物語」ヴィルヘルム・ ハウフという作家の不思議な物語集があって、魔法の世界とか出てきていたように思う。
先日来、なんか思い出すなあとふわふわと懐かしく考えているのだけど具体的なことを忘れているので、今度読み返してみたい。
でも、たぶん、イメージとしてそういう「魔法の国」がベースになっている気はする。

突如として現れた不思議な力を持つ、ユルゲンからきた魔力持ちに一方的に支配されたであろう元々住んでいた現地の民。
たとえば宮崎アニメでいけば「天空の城ラピュタ」でもあったように、高次元の文化や知識、恐ろしいハイスペックの武器を持つ侵入者一族が現れたら力のない元々の民たちは簡単に支配されてしまう。
現代世界でいえば、アメリカ大陸に元々いた現地民が銃を持つ移住者に戦い負けていったように。

が、魔力を通さない銀の布や銀の船などの説明の背景には、魔力を持つ”神々”のような相手に対して、魔力ではない、魔力に抵抗できるよう武器や技術を積み重ねて対抗できるようになりつつあったとある。
一方的に魔力を搾り取られるだけになりつつあるランツェにおける王族としての在り方を憂いそれを打開せんとして、レオはD嬢をたぶらかしてシュタープを取得してランツェで再度魔力持ちの権力を復権しようと企み(魔石やら魔術具もどっさりアーレンで入手して、貴族女性もいっぱい連れ去っていこうとしていたし)
ジェルはユルゲンの支配者になろうとしてやってきたわけだ。
そうした野望を打ち砕かれたジェル達がユルゲンで囚われの身になった後、ランツェの魔力持ちの残りの人達はおそらくは支配力をさらに失い、元々の現地の民だった子孫らに打ち負かされ、魔力で造られ維持されていた建物は消えてなくなり、魔力に頼らない国になっていくのだろう。ランツェにユルゲンから勝手にやってきて築かれていた王族の滅亡である。
その後は次第に元のように痩せた土地になるのか、それとも現代世界のように科学力みたいなものを発展させてどうにかやっていくのか。
そこは謎だけども。

魔法の国の消滅かぁ…と考えるとそれはそれでまた一つ物語ができるわけだねえと思ったり。

ユルゲンはほかで生きにくい魔力持ちだけを受け入れるために作った国となっていたが、
なんとなく超能力者だけが逃れて住む設定の「地球へ…」(竹宮惠子)や「遊び玉」(萩尾望都)「阿呆船」(佐藤史生)らのSFマンガも思い出したりするのである。


|

『本好きの下剋上』疑問編3

これは些細な疑問なのですが、ユルゲンの美術系の共通認識として絵画は写実主義的なものがメインらしい。
なので、現代日本育ちからの転生者であるマインが描くデフォルメされた絵はまったく受け入れてもらえず、
「お前、字は上手いが絵は下手だなー!」(by ベンノさん)
ということのようです。
ところで、アニメでは識字率がほぼない平民世界の町の描写で店の看板の絵が割と簡単な感じでした。
デフォルメと言えなくもない、現代世界でも通用しそうな感じです。
まあホントはもっと絵画絵画したものかもしれないのだけど。
なのでもしかして、多少のデフォルメはあるけども、ともかくマイン=ロゼマ=麗乃の絵は単に下手である、疑惑w 
もしや、いわゆる”画伯”レベルなのかもーと…思ったり…
いや、ホントにそんなに疑問というほどでもないのですけどw

美的センスも、いわゆる「かわいい」がなかなか理解されない。
レッサーパンダ君については、たまたま魔獣に似ていると取られるせい…ただブリギッテはこっそり可愛いに賛同してたみたいなのはなぜなのだろう?ギュルンに似てるとは取らなかったのですね、ちゃんと見比べればだいぶ違う…わけなのだが…ギュルンを知ってる大半の人には間違えられるのは面白い。
(公式Q&Aによるとゴキブリレベル扱いらしい。わざわざなぜそんな魔獣を選ぶ??という)

|

『今日もおはよう楽園くん(仮)』中村明日美子著

中村さんの描く細身眼鏡君、可愛いです~~v
作中、学内にコンロ持ち込んでお餅を焼いて(しかもそれを安倍川もちで食べることにこだわって)食べようとするシーンが出てきて
(そして先生にばれて反省文書かされている、、、)
私も中学生の時週一の部活で理科実験部を選び部室でアルコールランプ&三角フラスコでお湯沸かして、持ち込んだ紅茶を淹れてクッキー食べたりしてたのを思い出した。(リアル「D班レポート』っぽい)
←多分私のは40年以上前の話で多分時効なので、良い子は真似しないでください


理科実験道具ってなんか可愛いのが多くて、ド文系なのになぜか理科実験部に入るあたり、、、まあ週一だったし。
同じように思う人が一定数いるらしく、現代では理科実験道具を食器代わりに使えるよう販売してる専門店とかあるらしいー。
当時はそういうのまったくなかったけどw 

基本的に部活動としては中学では吹奏楽で、高校は吹奏楽がなかったので合唱部で、大学ではオケに入ってるのでずっと音楽関係選択してましたが、週一の部はこの理科実験部のほかは文芸部に入ったり、演劇部に入ったり。
そのほか放送部にも入って昼休みに音楽紹介したりアナウンスしたりしてました。
中三では生徒会に入ったので、行事の前は生徒会室で準備にいそしんでいたのだけど、なぜか生徒会長と副会長が(私は書記)下ネタ大スキーの人たちで、準備作業の間二人が延々と下ネタを披露してくれていました…なんだったのだろう。

それはともかく、中村さんの不思議なコマ展開で進むちょっと楽しいBLですv

https://www.hakusensha.co.jp/comicslist/64799/

|

祝!新刊『民俗学者赤坂弥一郎の事件簿 1』芳崎せいむ著

掲載誌で読んでいたのですが、一巻が出ました!
まとめて読むとやはりまた違いますね!
下記、ネタバレを含んだ感想になります!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
物語は博識で優秀で見るからに善人な主人公・赤坂弥一郎が叔父の死をきっかけに勤務していた商社を辞め、大学で民俗学を教える専任講師に転職し、下町に移り住むところから始まる。
下町といえば人情味溢れる温かい町。
赤坂も町の人たちに温かく迎えられ、同じように引っ越してきていた若い芸術家肌の人たちとの交流も始まり、順風満帆な滑り出しに見えた。
が、物語の最初から、そして合間合間に挟まれる、赤坂がなんらか犯罪を起こした後の聞き取り調査に答えている人たちのコメントは非常に物騒で、人好きのする笑顔の彼がそのイメージとは裏腹になんらかの犯罪を起こしたことを示唆しつつ進んでいく。
おっとりとした笑顔で町の人達と町おこしのための企画を考え楽しみながら皆で町を巡り、持ち前の知識を披露する彼がいったい何を起こしたというのか?
今回の一巻のラスト、衝撃の展開になったところで続!です。
物語はまだ幕開けといったところ。この先どう展開していくのか、次が楽しみです!!

下記から一話が無料で読めますので気になる方は是非!!↓

https://comic-days.com/episode/3270375685439722404/embed#

|

『本好きの下剋上』疑問編2

読んでいて漠然と分からないままにしているところがあるのでちょっと整理しておきます。
(作品の揚げ足取りや重箱隅つつきをするつもりは一切ありません~~~)
ネタバレに配慮しないのでご注意ください。

■ユルゲンの通貨価値について
貨幣の説明も、情報料がいくら、レシピがいくら、本がいくら、と価格も作中にびしっと出てくるのですが
ふむふむと自分の頭の中で日本円でいえば大体このくらいかな?と想定するのですが、その場その場の感覚なので、次に別の価格が出た時に、あれが・・円くらいと思うと、そうするとこれが・・・円ってちょっと違うか~~??めっちゃたかーい!!とけっこう混乱します。
検索すると下記に有志によるまとめがありました。
https://w.atwiki.jp/booklove/pages/351.html
そもそもファンタジー世界で、物流も違うしモノが溢れている現代日本の価格感覚と違って当たり前なので、お貴族様はこの時めっちゃ高い金額をお支払いになったのねと思うことに。
(フェ様のコンサートで荒稼ぎした時の価格設定もそもそも名目は新事業への寄付集めなのだし、初めての印刷・初めてのお菓子・初めての推しの姿絵などなどレア付加価値満載ですから超高くてもしょうがない!でもだとしたら、エルヴィーラお母様の大人買いの凄さよw)

■ロゼマとフェ様の魔力量
魔力が足りなくなったりする場面の描写が、それもその時々の状況で違うので、この時はこんだけ使ってもまだ全然余裕なのだなーとか特にロゼマの魔力量について混乱しがちです。
いろいろ並行して読み返してしまうので、頭の中で時系列が混ざるせいもあるけど。
破格・規格外で凄いと思っていたフェ様よりジェルの方が上だというのも、魔石にされる予定だったという説明の際に、一番飛びぬけて多かったのがジェルで、フェ様はその後に生まれ魔力量は少ないが全属性でバランスが良かったのだというかなり辛い説明が出てきて、ユルゲンではかなり多いはずのフェ様がそれでも焦って魔力増幅のために圧縮を繰り返していたわけだなぁと納得しました。
ロゼマは女神を降臨させたり急激な成長もあったり神々の祝福で溢れかえる魔力で死にそうになったりもしたので、そもそもの量がよく分からなくなります。
魔力の量や属性の話は読み手によってだいぶ把握が違うみたい。コメントでやや論争になっている。
まああんまり細かいことは気にしないようにしよう;

https://w.atwiki.jp/booklove/pages/210.html

■ロゼマの魔力感知
上と合わせてですが、そもそも生育が遅れていたというのもあるけどずっと魔力感知しないでいて。
魔力感知が発現してないから感知しないのか、規格外の魔力量だから感知できる同等の人がいないから感知しないのか不明だったところに、ジェルの登場に対してざわざわを感知。この時、やっぱ感知はしてたけど魔力量の問題だったのかとざわり。あれ、じゃあフェ様は??
その後、女神降臨後の異常状況の際にフェ様の魔力を感知。あれ、女神降臨の方が量は増えてるわけだが??
ということは女神に染め変えられたことで感知出来たということでフェ様は魔力が同質すぎて感知しづらかったとかなのか??
ロゼマはエーヴィリーベの印を持つ子という特殊性もあるし、魔力の質がフェ様とほぼ同じ、同じだが違うという、そのあたりが読んでいてちょっと不明なまま読み進んでしまうのでした。

余談ながらロゼマが貴族院に入った1年の時にエグランティーヌの髪飾りを作ったことでクラッセンブルクの会食時に話題になった際に、「嫁取りして取り込むか?でも下位領地の候補生では魔力が釣り合わないのでは」とエーレンが下位なもんだからめっちゃ下に見られていたのが、逆にまったくその辺の王族より規格外上の魔力量だったことが後に判明するのも胸がすっきり。面白いフラグ回収だった。
(王族の第一王子の魔術具が一握りでサラサラ金粉化しちゃうの小気味よい。)

「其方を婚約者とは思えなかった」と後に語った荒れ荒れになった当時のヴィル兄は、ただでさえ能力や実績で優秀なロゼマに比べられる上に、ロゼマを魔力感知しないのも彼女の成長の遅さだけではなく自分より魔力量が規格外で明らかに多いのは分かって来て…
フェ様の魔力のこもったすごいお守りを付けまくっている婚約者、、、やっぱもうどうしようもなく自尊心を傷つけられていただろうなあ。
虹色魔石の簪を見る度に、劣等感を刺激され、、、
一番最初に「其方も早く大人になれ」と言ってた段階では一足先に大人になったと思ってちょっと得意になって言っていたと思うけど、荒れ荒れの時期は劣等感の塊だったと思う。
金粉ジギのSSでヴィルから、自分は釣り合うものが贈れなかったけど頑張って準備して贈った方がいいというアドバイスを受けていたことが分かった。
ジル様やフェ様を呆れさせ激怒させていた金粉王子の求愛の魔術具は、実は金粉王子がただただ調子こいてわざわざ求愛の魔術具にしたというのではなく、背景に実はヴィルフリートのアドバイスがあったせいだったというのはちょっと面白かった。
ヴィルはロゼマに貰うばっかりで返礼しない子だなあとは思っていたのだけど、何か贈ろうにもフェ様に敵うわけないと思って動けなくなっていたのだねえ…。こっちはこっちでいろいろ切ない。
根は良い子なので、優秀な側近がいてちゃんとアドバイスしてくれたらよかったのに。

|

« December 2022 | Main | February 2023 »