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『本好きの下剋上32巻』ネタバレ感想

待望の32巻がとうとう出ました。あと1巻で本編完結ということで、そわそわしながら待って読みました。
*まだ未読の方、WEB版の完結まで含めて未読の方、ネタバレなしに感想書けないので下記読まないようになさってください。*

フェ視点のプロローグで始まるということでファンの間では発行前から歓声が上がっていましたw
私自身も、読む前から落ち着かず、このままだと情緒が持たないのでは~~;と読むのが怖いような気さえしました。
とはいえ、本編のロゼマ視点だと分からない部分の謎解きができるのも楽しみです。

読んでいくと、31巻読了後に推測していたことがほぼ当たっていて、どやぁ、みたいな気持ちにもなりました(すみません。)
特にメ神に深く疎まれて嫌がらせされていた詳細や、ロゼマに握らせていたものが何だったかの推測について当たりでした。

http://haneusagi.cocolog-nifty.com/simauma/2022/12/post-947036.html
http://haneusagi.cocolog-nifty.com/simauma/2022/12/post-ef6ac4.html

が、王族との話し合いの席でロゼマが感情を揺らした時の対策についてのGJが名捧げ側近であるハルトムの提案が元だったことはあまり考えてなかったので、これはホントにハルトムの優秀さ。狂信者ぶりがなければ優秀なかっこいい側近なのにw
威圧を受けながらロゼマを宥めようとするフェの姿はマイン時代の神殿入りの際の場面と重なり、ここでも伏線の回収です(本好きにはこの伏線の回収がホントに多くて、ファンを再読の沼に落とし込むのです)。
フェの冷静な思考の切り替えも面白く読みました。優先すべきこと以外はあっさり切り捨てる様が素敵ですv

加筆や書き下ろしのお陰でweb版で若干分かりにくかった部分が分かりやすくなっていました。
例えば、女神降臨した後記憶に干渉されたことでロゼマの魔石恐怖が無くなっていたのですが、web版では若干分かりにくかった。
丁寧に読んでいけば、降臨の影響か、、とすぐ分かったけども、側近たちやフェがすんなりそれに対応していたのが少し不思議だったのが、今回の加筆で、ああなるほど情報の共有があって対応されていたわけか、、となったりです。
体調が悪かったと書かれていましたが、読者のためにお忙しい中たくさんの加筆を本当に有難うございます。

■エグランティーヌ視点
エグランティーヌ様はweb版で読んでいた時に(この方はけっこう肝が座っているというか、一本筋が通ってるなー)という思いがありました。アナ王子の方がよほど初心というか、王子様だな~~~というかに対して。
やっぱり結婚し子供を産んだことで母は強し!になった面もあるのかもしれません。
話し合いの席でロゼマらを伺うように見ていた時の思考はおそらくはフェの意向、彼が王になる(もしくは彼を王にする)というつもりはないのか?というそこだったと思っていましたが、それもおおよそ推測通りでした。
ジギは不適格、トラさんは力不足ゆえ罪を背負って処分されてもやむなし(にしても王族全員道連れって;;)と言って押し付けようとしかしない情けなさに対して自分が引き受けるという強さは天晴れでした。
本当は元々王族の中では一番資格ありの人でしたし。
国が荒れるのを避けるために、という目的に対して情勢が変わったことを悟り、たとえ離婚してでも自分が立つという姿勢がかっこよかったです。ロゼマが我欲が強い人という分析も正しい。(まあその我欲のお陰でユルゲン救われたんですけどね。)
始まりの庭で、ロゼマのお守りを外そうとしてたフェの場面については(きっとエグ様にはフェが襲ってるようにしか見えなかったろうなー)と思ってたので、さもありなん!でした。
新しく分かったことはなかったけど、いろいろ推測してたことが細やかに補強された感じでした。

■アーレン漁師モブ視点
平民の漁師から見た魔術のすばらしさや、前のダメアウブD嬢への不満や、新しいアウブロゼマへの感謝や絶賛は思っていた感じでしたが、考えていなかったのは、ランツェの鑑の出入りがただでさえ魔力不足で濁り魚が減っていた海をダメにしていたという事実でした。
よく考えれば、ユルゲンのあらゆるものが量の差はあれ魔力を含んでいるという記述がありました。
(なのでユルゲンでは一切魔力を通さない銀の布というのは作ることが出来ない)
ランツェの鑑、特に黒の塗料の方はユルゲンの闇の神の黒と同じ魔力を吸収する効果を持っているので、出入りすることでただでさえ乏しくなっていたアーレンの海や生物達から魔力を奪っていたということ。魔力を奪うことによる環境破壊です。
ランツェは現代のように魔力ではなく科学が進化しつつある国というイメージがあったので、この環境破壊の事実はまるで現代の科学による進化が齎す生態系破壊・環境破壊のアナロジーのようにも読めました。
今回のSSを読むまではまったく考えてなかった部分なので、ちょっと驚きました。

■アドルフィーネ視点(書籍版特典SS)
アド様はホントにジギと別れたかったんだな~~さもありなん!でした。またもう第二夫人のナラが策士というか;
ずっと機会を待っていたというのも分かるし、機を見るに敏、優秀な方だけにさすがの対応でした。
エグ様を尊敬し仲良かったのだなというのも分かったし、ジギやトラさんの言動への突っ込みもなかなか。
嫌な思いしかしてこなかったアド様が少しでも幸せになれることを祈っています。

■ジル視点(ドラマCD特典SS)
ジルは本当に良いお兄ちゃんだな~~~というのが真っ先の感想でしたw
フェとのやりとりが面白すぎて。「可愛いローゼマインと…」のセリフには大受けしました。
そりゃお兄ちゃんには分かっているよねえ。なので鈍感なロゼマのあれやこれやに吹き出したり、にやにやフェを揶揄ったりするわけだなーというのがよく分かりました。
女神降臨で光ってる、と言葉で聞いても意味不明なので早く見たい、というのもさすがだぜ、と大受け。
こういう人だから「どうやって光っているのだ?」のロゼマを安心させたあっけらかんセリフになるわけで
ジル様大好きですv
(情報をさぐってこい)のフロ様、肝っ玉母ちゃんというか、見た目はおっとりしててもさすがの領主一族だなと思い、シャルもきっとこういう感じになるのかもなーとも思いました。

読み終わったら、もっとゆっくり読めばよかったと少しさみしくなりました(結局一日で読んでしまった;)。
また次まで待ち長い、、、完結もさみしいけど、続編の構想も進んでいると思っているので応援しております!
読んで印象に強かったことだけまとめました(それでも長いけど;)。
また何か思い出したら書くかもしれません。。。すみません。。。

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